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ボローニャの記録、もう3ヶ月近く前のことをだらだらと書いてます。他にもいろいろあったけれど、このネタはそろそろ終わりにしようかなと思います。ボローニャに行かれる際には是非注意していただきたいことがあって、最後に書いておきます。
ボローニャは食の町で「ボロネーゼ発祥の地」。ボロネーゼの他にラザニアもボローニャ生まれとのこと。どちらもそこまで好物ではないけれど、だからこそ本場の味を知り、その美味さに痺れてみたい!と旅の目的の一つにしていました。
ボローニャ到着の夜はクタクタで、宿の近くにあったパン屋みたいなピザ屋みたいなとこで済ませました。二日目の夜、一人だったけどなんとかボロネーゼ食べたい!と思い、ボローニャ市内をうろうろ。「ボロネーゼ5ユーロ」「サラダ5ユーロ」という価格破壊の起きているカフェっぽい店を発見。「なんでこんな安いの??」と思ったけど一人でも入れそうだし、お店の人の服装がきちんとしてたので大丈夫かなーと思って入ってみました。
入ってみるとお店は入り口から見た以上に小さく、薄暗くて雰囲気はいいけれど、その薄暗さで何かをごまかしていたことに私はまだ気づいていませんでした。店員さんがオーダーを聞いてきたので迷うことなくボロネーゼを注文。彼はにこやかに「厨房」に消えて行きました。
と、奥から「バコッ」「ガサッ」「バコッ」「ジーーーーッ」という音が聞こえてきました。おおよそ調理をしているような音ではありません。私がampmでバイトしてた時の「とれたてキッチン」(冷凍食品)を提供する音です。
「バコッ」(冷凍庫の扉を開けてるような。。。)「ガサッ」(ボロネーゼの容器を取り出すような・・・)「バコッ」(電子レンジに容器を放り込む、、、いやまさか。。。)「ジーーーーッ」(電子レンジが容器を温める。。。)いやいや、でもまさか、食の町でそんな暴挙が、、でも激安だしな。。とモヤモヤしながら待つこと数分。挙句、聞いてはいけない音を最後に聞いてしまいました。
「チンッ!」
もう疑う余地はありませんでした。
店員さんが、銀色のドーム型のフタをかぶせたボロネーゼを運んできてくれました。「ボナペティート!」(召し上がれ!)うやうやしくフタをとってくれましたが、もう食欲は減退しきっています。ここに来て冷凍食品でお腹を膨らませるわけにはいかない!ので、ちびちび食べてるようなふりをして数分をやり過ごし、お店を出ることにしました。
お会計の時、さすがに店員さんにも悪いかと思って「I'm full」(お腹いっぱいなんです)と言い訳してお店を出ました。お互い後味が良くなかったので、本気でおいしいもの食べたいときはあんまり安い店に入らないほうがいいです。でもそれって常識ですね。。勉強になりました。その後、一人できちんとしたレストランのようなところでボロネーゼ食べました。いろいろあった後の食事だったので美味しかったというより安心感が半端無かったです。
しばらくブログ止まってました。久々に描くと絵のサイズが調節できなくてでかいです。すんません。もう忘れそうだし、結構忘れてしまいたいことなんですが、二度と同じ轍を踏まぬよう、自分への戒めのためにも記録しておきます。
ブックフェア初日。ブースをあちこち回って、自分が海外の出版社の知識がほとんどないことを痛感し、自分が好きな感じの絵本がある出版社にアポ取りに行くことにしました。大きなブースでは入り口に受付嬢のような女性がいて、その人を通して編集者や関係者にコンタクトを取るようでした。
ボローニャ訪問の先輩に「自分はイラストレーターだ。編集者はいますか?」→"I am an illustrator. Do you have editors?"と聞けばいいと教えてもらっていたので、それを呪文のように唱えて、夢の国のようなかわいらしいブースの出版社のアポを取ることができました。
実際はさくっと話が通るわけではなく、「今日は編集者いないのよ。」「いつ来るんですか?」「明日の午後かしら。明日また来て」翌日「編集者はいますか?」「(あなたね!みたいな感じで)今日の3時ならアポが取れるわ」「ありがとう!」というやりとりを繰り返して、なんとか取ったアポだったのです。
受付のお姉さんはほんとにきれいで優しくて、私がたどたどしいながらもアポが取れるまで食らいついて離れなかったので、無理くりにでもアポを取ってくれたようでした。アポの時間まで他のブースを回って、「編集者いるか?アポ取れるか?」と聞いてまわったり、行列に並んで絵をみてもらったりして過ごしました。
いよいよ時間になって、その夢の国ような出版社のブースへ。お姉さんはにっこり笑って、夢の国の中に案内してくれました。そこには私と同様に絵のファイルを持ったイラストレーターが売り込み中。眼鏡をかけた編集者の女性は「あ、時間なのね。」という感じで、話をまとめにかかり始めました。
少し待って、いよいよ私の番になりました。日本から来たと挨拶すると「私の甥が日本に住んでいるのよ!」と好感触。自作の絵本を見せ、説明も出来るだけしました。編集者は最初のにこやかな感じから、だんだん熱のない表情に。。。絵本を最後まで見て「他にないの?」と聞かれたので、「原画があります。」とファイルを出そうとしたら「同じ絵が入ってるの?」「ほとんど同じで、違う絵もあります。」「じゃあそれはいいわ」と一蹴。
え。。。と思っていると「私たちはすぐに出版できるものを探しているの。このあなたの本はすぐに出版できるものなの?」と問われました。私の作った絵本らしきものは、前回の個展の絵を強引に一冊の「絵本」の形に収めたもので、「絵本」というにはストーリーがなく、すぐに出版できるものかというと、そうとは言いがたいものです。
返す言葉もなかったです。ファイルを見るのを拒否したのも、ストーリーのないただの絵を見る必要はないと判断したからのようです。面会時間終了まではまだ数分あったけれど編集者は「もう時間がないのよ」と腕時計を見てにっこり笑って一言。「これは差し上げます」と言って「絵本」を渡すので精一杯でした。
重たいA2ファイルを肩にかけて夢の国から退場。いつも以上に重く感じました。私を見送る受付のお姉さんは相変わらず優しく編集者と対照的で、編集者の女性はまさに「プラダを着た悪魔」のように思えました。。すみません。。