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ブックフェアの会場はとにかく広いです。まず、入り口からすぐの催し物がある建物があり、そこからいったん渡り廊下のようなところを通って並行して建つ2つ目と3つ目の建物。そこからさらに4つ目、5つ目の建物がつながっています。
そこに世界中の出版社のブースがひしめき合っています。出版社の規模でブースの広さや装飾の具合が違います。最も慎ましいところは6畳くらいのスペースにパイプ椅子と会議机、絵本のポスターを何枚か、本棚にわずかな絵本を面陳で。といった感じです。派手なところは、百貨店で子供たちが遊ぶところ(なんて言うんだろう)のように、鮮やかな原色で彩ったアーチのあるお城かと思う小部屋になってたり、天井近くまで絵のある壁面がどどんとそびえていたり、ギャラリーのように直近の絵本の絵を壁に飾っていたり、天井から人参の飾りをぶら下げてブース内が地下にあるように演出していたり、そういったものを見ているだけで楽しかったです。
出版社の目的は自社の絵本を紹介して売ることと、新たな作家の発掘(多分)。そしてその発掘されたいイラストレーターたちが、作品ファイルを持って目当ての出版社を探します。とにかく広いので、どこにどんな出版社があるのか、初めての人は多分わからないとおもいます。私もまったくわかりませんでした。そもそも私は海外の出版社にそんなに詳しくないので、わからなさ具合がわからないくらいのどうしょうもない状態でしたが、、、
どこの出版社でも絵を見てもらえるわけではないです。編集者がいること。その編集者にアポが取れていること。アポ無しの場合は行列に並んでみてもらうことになります。
私は当初、自作のちっさい絵本もどきとA4くらいの作品ファイルを持って行こうと思っていましたが、直前で原画もあった方がいいと聞き、A3ノビが入るごっついファイルを持って行きました。これが肩が壊れるほどに重い。。。それプラス、カメラや財布、メモ帳などの入ったカバンも持っているので、両肩がキュウキュウでした。
ふと見ると、大きい絵を運ぶときとかに使う車輪のついたキャスター(なんて言うのこれ)にファイルやカバンを載せて、優雅に歩く人もちらほら。。あああ、これ家にあるのにーー。。持ってきたら良かった。。とすごく後悔しました。
行ってみないとわからないことが多いなーと思いました。その日の売り込みは調子がよく、イタリアの出版社(名前覚えてないー)の人に自作の絵本を見せて、好感触を得ました。これでちょっといい気になったのですが、その後、打ちのめされることになります。。。。
涙すら乾く、焦燥感だらけの売り込み続報はまたの機会に。。。
ボローニャ中央駅から歩いて約20分くらいでブックフェアの会場へ。少し迷ったけれど、iphoneのgoogleマップのおかげでなんとか辿り着くことができました。softbankの海外パケット使い放題のキャリア選択さえ間違えなければ一日定額でちゃんとネットできるのでオススメです。
施設のエントランスにはフェアを示す幕が大きく飾られ、当日券販売のブースから会場入り口までフェアのロゴをあしらった赤絨毯が50メートルほど続きます。9時開場のため、9時より前はプレスや関係者のみが入場を許されていました。入場パスの色に区別があるようです。
9時が近づくにつれ、いつのまにか赤絨毯が確認できぬほどの行列に。。。10メートルはあったように思います。入り口近くでぼんやりしていた私もどこか行列の中に入っていないと横入りしたようになりそうだったので、荷物を肩にかけて行列に加わりました。
9時になり、一般の私達もいざ入場。でも、イラストレーターたちがまず目指すのは目当ての出版社のブースではなく、「掲示板」と言われるエリアです。
会場に入るとすぐに、催し物や入賞者の展示を行う場所があるのですが、そこをぐるりと取り囲む白い壁が「掲示板」と言われています。高さ2.5メートル、全長150メートル(一辺約50メートル×3として)くらいのこの壁面に、各国から訪れたイラストレーターたちが自分の作品ポスターや連絡先の描いた名刺やカードを所狭しと貼り付けるのです。
人の目につきそうな良い場所は早い者勝ちと聞いていたので、私も急いで場所を確保して貼り付けました。すぐに貼り付けられるように予めポスターの裏には両面テープが仕込み済みです。私はポスター、名刺のほか、自作の絵本を閲覧できるように紐でかけて吊るしておきました。早く着いたのでまだ白い場所が余っていたので、もう一枚違うポスターを別の壁に貼っておきました。
後でわかったことですが、どんだけ早く良い場所を陣取って貼ったところで、後からおもいっきり他人のポスターの上に自分のポスターを貼り付ける人々がいるのです。。。私も2日目くらいに上から貼られていました。弱肉強食というか、お前のものは俺のものというか、、日本やったら多分こんなことないよな。。。と思うエピソードでした。プンプン怒りながら自分の上に貼られたポスターをはがしました。心理的に疲弊しました。。。
ボローニャ二日目。いよいよこの旅の目的である「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」に向かいました。このブックフェアは毎年3月にイタリアのボローニャで開かれるもので平たくいえば絵本の見本市です。世界各国の絵本の取り扱いのある出版社が、ブースを開いて自社の絵本を紹介します。編集者がいるブースでは、イラストレーターが絵本の売り込みをすることも可能で、それがこのブックフェアの賑わいの一つにもなっています。
ブックフェアの会場はボローニャ繁華街から少し北に離れた展示会場になります。日本で言うと東京ビッグサイトとか、インテックス大阪とか、そういったあらゆる催しに対応する巨大な展示会場を借りて開かれます。私の宿はボローニャの中央駅近くにあって、ボローニャ繁華街と展示会場の真ん中にあたります。バスで行くこともできるし、歩いて行くこともできる場所なので、どうやって行こうか迷いました。
B&B近くのカフェで朝食をとっている時に、天気も良いし早く出発できたので歩いて行こうと決めましたが、今後のために念のためバス停の確認に行きました。バス停はボローニャ中央駅から通りを挟んだところにあって、ちょっと良さそうなホテルのロビーがガラス越しに見えるところにありました。
バス停を確認して安心し、これから歩いて行く道すがらの写真を撮ろうと、カバンからカメラを出して「That's 観光客」と言わんばかりに首からぶら下げてしばらくすると、なんとなく前方で人が激しく動いている事に気付きました。
視線をやると、そこはさっきのちょっと良さ気なホテルのロビー。良さ気なスーツを身に着けた本場イタリアのちょいワルオヤジさんが、やたら筋肉を誇示するようなポーズを次々と繰り出しています。目線はこちらに向かっています。
まったく想定外の出来事に、よくわからないけど「ここはラテンの国だから、こういうこともあるのだ」と思い込み、なんとなく笑顔でこたえておきました。後で気付いたことですが、多分ちょいワルオヤジ(敬称略)は私がカバンからカメラを出したところから見ていて、それならば俺が被写体になろうとフォトジェニックなポーズを繰り出してくれていたのです。ためらうことなくパパラッチするのがイタリアンマナーだったのではないかと悔やまれてなりません。
異文化交流はまだ始まったばかりだと思いながら、歩いてブックフェア会場に向かいました。
3月18日から25日まで、会社にお休みをいただいて、イタリア・ボローニャブックフェア→ベルギー・ブリュッセルの友人宅訪問という旅行をしていました。
ここ最近の海外旅行は海外に住む姉夫婦を訪ねることが多く、往復は一人だけど、宿泊は一人でなかったのですが、今回、ボローニャの宿は一人で宿泊だったので、少し心細かったです。
ブックフェア期間中はボローニャの宿はすぐに埋まってしまうということで、3月の旅行なのに、宿の手配は夏ごろに済ませました。ネットでボローニャ中央駅近くのB&Bに目星をつけ、宿の予約はgoogle翻訳先生の力を借りてメールでやり取りしました。
成田から飛行機に乗り、ローマで乗り換え、ボローニャ空港に到着。さらにバスに乗ってボローニャ中央駅まで。そこですでに20時くらい。薄暗い異国の街をうろつき、googleストリートビューの予習と宿の口コミサイトの情報を元に、入り口に看板が一切ない雑居ビル3階にあるB&B発見!インターホンを押すと「Akiko?」と聞いてきたので「Yes!」と答えるとオートロックを開けてもらい中に入りました。
なんとなく40代ぐらいの恰幅のいいおじさんがオーナーかなと想像していたら、10代後半くらいの小柄な少年がオーナーでした。さらに英語が話せないという。。メールしてた人は誰なんだ?と疑問が。。宿泊の手続きの上で「ドキュメント持ってるか?」と聞かれたのだけど、何の書類かわからない。
そのうちにちょっとこっちに来いと呼ばれてついていくと、少年の彼女とおぼしき女の子がめっちゃくつろいでテレビ見てる部屋に入り、少年はMACでgoogle翻訳を使って私と会話。私もメール、これで書いてたけどあなたも同じだったのねーとなんとなく親近感。「ドキュメント」はイタリア語で「免許証」という意味だそうです。
ネットとgoogle様様だなと思った一日目でありました。